ベンガル猫と神戸市交のブログ

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神戸市営地下鉄西神山手線と阪急神戸線の相互直通に関する整理(1)

神戸市営地下鉄阪急電車の相互乗り入れの話題
これまで、何度か現れては消えを繰り返していた印象があります。
しかし、10月の神戸市長選挙後、動きが活発になります。
その経緯などを簡単に整理しましょう。
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1 相互乗り入れ計画の推移
始まりは2004年の近畿地方交通審議会答申第8号で、「乗り継ぎ利便性の向上に資する事業」として盛り込まれました。(これは阪急側が提案した構想が基本)
神戸市側(当時の市長は矢田氏)は難色を示した(事業費・三宮が通過駅化する懸念・新神戸,北神方面の調整)ため進展しませんでした。
ところが久元市政になった頃より転機が出てきます。神戸市側でも検討開始したことが伝えられ、久元現市長が2期目の公約として相互直通が出ます。その後、久元市長は当選。2期目より本格的に阪急電鉄側との協議に移ります。

2 なぜ、久元市長になって進展し始めたのか
さて、神戸市はなぜ態度を変えたのでしょうか。以下の理由があげられます。
1つ目には須磨区北部(以下北須磨地区とする)と西区の人口減少

特に北須磨地区は1995年ごろをピークに人口減少が始まっています(これは、震災の影響ではないと考えられる)そして、少子高齢化の進行が早く北須磨地区の高齢化率は2005年は18.5%だったが、2016年には322%となっている。これと同様のことが西区、特に西神ニュータウンで起こることは容易に想像できる。このことに、神戸市は危機感を抱いているのも事実であります。
少子高齢化の影響が顕著に出ている地域であることから、若い世代を取り込む政策が必要と考えたものと思われます。(特に神戸市は若年層の流出が多い)
久元氏は「沿線への定住を促進することで沿線各駅に人を呼び込める大きな可能性がある」との考えを示しています

第二はには震災復興債の返済がついたこと(2016年度完済)があげられます

これにより、財政的に柔軟性が出てきたことは事実でしょう。

3つ目は市営地下鉄の車両面
28編成を来年度より全部取り換えます

→保安装置面・車体幅の違いを解消するためにはこのタイミングを生かすしかないことは間違えありません。
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3.課題は…
とは言え、課題は山積。それを一つずつ解決しなければなりません。
1.建設費
2.接続駅
3.運行体系(北神急行神戸高速神戸電鉄などとの兼ね合い)
 などが主でしょう。これらを述べていきます。

(1)建設費
建設費は1000億円程度に上るともいわれています
負担割合・補助金の活用などをどうするのかなどを検討を進める必要があります。
cf.都市鉄道等利便増進事業 これを用いると国・自治体が1/3ずつ 残り1/3鉄道事業者が線路使用料で返済ということで鉄道事業者の負担は軽いです 阪神神戸三宮駅改修などで用いられた手法です)
 
(2)接続駅・・・どこで地下鉄と阪急をつなげるか
新神戸・三宮・長田・板宿などの案があるようであるが、いずれもメリット・デメリットがあります。
この点に関してはまた次の機会に述べることとしましょう

(3)運行体系…サイクルがあわないだけではない
運行形態は現在、西神山手線が日中15分間隔(7.5分間隔×2)・阪急神戸線10分間隔(特急・普通各1本ずつ)とサイクルが合いません。
この点は過去の相互直通でも問題となってはいますが(特に、阪神・山陽の直通特急は良い例となるでしょうか)、今回は神戸市交・阪急のみの問題とはならず、長年神戸市交と直通運転をしている北神急行、そして、谷上での接続を行う神戸電鉄などにも影響が広がります。特に、神戸電鉄三田線の線路容量の都合もあり15分サイクルを変えることは難しいと考えられます。また、ニュータウン地区(北須磨地区・西神地区)の利便性を維持・向上させることが目的となっていますが、これにより北神地区・新神戸地区が不利益を被ることは神戸市側としても避けたいところでしょう。
 この点も接続駅の話が絡んできます
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両数の観点では、神戸市交側も改修を行うことで8両運転は可能になるということから大きな問題とはならないと思われます。また、今後の車両置き換えを行うことから6両から8両への変更の影響も小規模となると考える。
(後年2両増結をしても車齢の差は小さくなります)

ひとまず、現時点でのお話をさせていただきました。今後進展などがありましたら、語っていくこととしましょう。

(2017年11月24日 閲覧)